損害額、保険価額算定のプロフェッショナル​

「損害保険登録鑑定人」をご存知ですか?
物を鑑定する方を総称して「鑑定人」と言いますが、「損害保険登録鑑定人」(略して損害鑑定人)は、その名のとおり損害保険に関わる専門の鑑定人です。
火事や自然災害などの事故で、建物や家財などが損傷した際に、復旧するのに必要な損害額はいくらかを算定することが重要になります。​​
また、損害保険では、契約を行う際に、ビルや工場、専門的な機械や設備など、ふたつとして同じものがないものを、保険の対象物として契約することは多くあります。その際に、適切な保険価額はいくらかを算定することが重要になります。​
このような時に、保険会社とは別に独立した立場で、中立、公正、適切に、損害額や保険価額を算出する業務を専門に行うのが「損害鑑定人」です。

損害保険は、社会のインフラのひとつとも言えることを踏まえると、「損害鑑定人」は、決して知名度は高くなく目立たない存在かもしれませんが、社会の“縁の下の力持ち”のような、必須な存在であると、ご理解いただけるのではないでしょうか。

損害鑑定人の業務の魅力​

専門性と信頼性

保険価額や損害額の算定を行いますが、構造や材質をはじめとして、高度な専門知識が要求されます。また、損害保険の契約や保険金の算定に繋がるため、社会的な信頼も厚い業務です。​
専門的なスキルを身につけることで、他の職業では得られない満足感を得られます。​

多様な業務内容

保険会社から個別に対応を依頼され、損害の発生現場へ出向くケース、地震等の広域災害の発生により、現地へ1週間から1か月に亘り出張し、多数の物件に対応するケース等、業務内容は多岐にわたります。​
毎日のように、新たな事故等に対応しますが、ふたつとして同じものはありません。常に毎日が新しい挑戦です。​

キャリアの安定と成長

損害保険は、社会に必須の存在であり、ともに歩む損害鑑定人は、キャリアが安定しており構築がしやすいと言えるでしょう。​
損害保険の対象物は拡大し、昨今では再生可能エネルギー設備への対応が増えているなど、多様な経験を積むことで、自己成長を実感するとともに、着実にレベルアップを目指せます。​

社会貢献

損害保険は、事故や自然災害にあった人々に、保険金をお支払いすることにより、生活や業務の復旧を手助けしています。​
損害鑑定人は、その一部を担うことにより、社会で重要な役割を果たすとともに、社会に貢献する業務であるとも言えます。​

損害保険登録鑑定人の資格

損害保険登録鑑定人の資格を取得するには、一般社団法人日本損害保険協会が実施する「損害保険登録鑑定人」認定試験に合格のうえ、同協会に登録することが必要となります。​​
損害保険登録鑑定人は、技能のランクが1級から3級まであり、始めに3級を受験、合格した後、2級、1級とランクアップしていきます。​​
3級の合格率は、20~30%であると言われています。​

損害鑑定人の技能ランク
損害保険登録鑑定人の技能ランク

損害保険登録鑑定人の認定試験

「損害保険登録鑑定人」認定試験は一般社団法人日本損害保険協会が実施しています。
試験の詳細については、同協会Webサイトをご覧ください。
一般社団法人日本損害保険協会 Webサイト

①3級損害鑑定人認定試験の試験科目など

3級は、年2回、試験を実施しています。損害保険登録鑑定人3級の認定試験は、「保険・一般常識」「建築」「電気・機械」の3科目で行われます。
いずれも100点を満点として、合格するには60点以上が必要です。

  • 一級建築士、二級建築士は免除科目があるなど、詳細は、上記のWebページをご確認ください。
②テキストおよび過去問題など

試験の学習に必要なテキストや補助教材、過去問題は、下記の一般社団法人日本損害保険協会のWebページに掲載がありますので、下記をご参照ください。
過去問題は、過去3回分を無料でダウンロードすることができます。

テキスト・過去問題等|日本損害保険協会Webサイト